移民の歌
更新日:2020年10月18日
今月27日の夜中に日本テレビで「移民のうた “歌う旅人”松田美緒とたどるもう一つの日本の記憶」という番組が放送されました。
わたしは今年サンパウロでお世話になった小山徳さんからのメールで知ったのですが、放送は午前1時5分からだったので録画しておいて本日ゆっくり鑑賞しました。
世界各国を旅する現代の吟遊詩人・松田美緒さんがブラジルを訪れ、次々と日本移民の歌に出会っていくドキュメンタリーなのですが、番組冒頭で登場したのが昨年訪れた平野植民地だったので、もうもういきなり引き込まれました。
平野植民地は第一回笠戸丸移民の通訳としてブラジルに渡った平野運平が開設した植民地で、その涙のブラジル開拓物語が「平野運平(一代記)」という浪曲のレコードで残されているというのです。天中軒満月という浪曲師の語りが臨場感満点で、今まで活字で読んでいた平野植民地の話よりずっと心に響くものがありました。
(平野植民地については、林良雄さんの「我がグァタパラ耕地」「第三部 グァタパラ耕地配耕者の主なる転出先」の「第五章 平野植民地設定に至るまで」にも紹介されています。)
続いて登場したのが弓場農場。映像には昨年お世話になった方々が次々と映し出されまたまた目は釘付けに。矢崎正勝さんがコロニア音頭とも言える「ブラジル賛歌」の音源を紹介され、弓場農場の方々に松田美緒さんが歌を披露されました。
一番印象に残ったのは、私たちにもなじみのある「五木の子守唄」が、ブラジルでまったく異なる歌になっていたことです。
「・・・大人になって 偉かとなって 戦するんばやめさしゅう」
作詞したのは高知出身の大原守郎さんという方で、勝ち組負け組の対立に巻き込まれ銃弾を受けた大原さんの戦争に対するメッセージが書かれています。この歌の存在を知らされていなかった娘さんたちは、「父はわたしたちを守る為に言わなかったのだと思う」「父は悲しみを抱いていたと思う」「悲しみを自分の心の中に閉じ込めていたのだと思う」そして「父がこんなすごい仕事をしていたとは知らなかった」と語りました。
また、「100年の水流」の著者・外山修さんは、「日本から離れれば離れるほど愛国心が強くなるので、勝ち組負け組の争いが戦後10年も続いたのだ」と解説されていました。
番組終盤では、「移民の歌」の作詞者で現在は住職をされている梶原義人さんが、「両親は反対されてブラジルに来たけれど、5年10年経っても帰ることができず、仏さんになって向こうで会わさせてもらおうと言っていたことを詩を書いた」と語りました。
松田美緒さんが歌う「移民の歌」もとても良く、優しい歌声が心にしみました。自分もまた移民さんたちを見習って運命を切り開いていかなくては、と気持ちを新たにする番組でした。
「移民のうた “歌う旅人”松田美緒とたどるもう一つの日本の記憶」は、12月3日(日)、BS日テレで再放送されます。再放送は午前11時からですので見逃した方は是非ご覧になってください。オススメです。
(HP管理人)


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